『ドキュメンタリー 頭脳警察』関西プレミア爆音上映

nortron2009-11-08


Twitterのタイムラインで流れてきたのが、このイベントを知ったきっかけです。
メモリアル系のドキュメンタリー映画が多いなと感じる昨今ですが、
なぜ、今「頭脳警察」なんだろうと思ったのが正直なところ。
しかも、3部作5時間一挙放映、場所は西部講堂というこの企画・・・。


危険や過激という言葉が先走りしてて、音源を聴くまでにかなり時間を要しました。
だって頭脳警察ですよ、女子がレジに持っていくのには抵抗が…。
大学のサークルのバンドが演奏したのが、聴くきっかけになりました。
音と歌詞があまりにも衝撃的で飲み込むのに時間がかかりました。
別バンド目的で行ったイベントで遭遇してしまい、迷える若者の緩みきった背筋にムチを打ち付けられたのもまだ新しい記憶。


そんなこんなで今回のドキュメンタリー。
監督は瀬々敬久さん。感染列島を撮られた方です。
3年前からカメラを回し続けており、再々結成はその最中に決まったことみたいです。


音楽をやりたいのに、イメージが先行して活動の場を奪われる憤り。
実現できなかった理想を求めてくることに対する戸惑い。
そして解散、ソロ活動。
TOSHIさんのPANTAさんに対する思い。
母の死と重信房子さんとの交流。
再々結成のPANTAの声かけに対するメンバーの戸惑い。
レコーディングの微妙な距離感。
そしてフィナーレは、現在形の頭脳警察の2008年の西部講堂ライブ映像。
あっという間の3本立て5時間でした。


PANTAさんってすごい人ですね。
実生活では、だらしなくて我侭なやりにくいおっさんなんだろうけれど、
人懐こさと生真面目というのかしら?
PANTAワールドとしか言えない世界にぐいぐいと人を引き込んでいくんですよね。


レコーディングの時のメンバーの緊張感が印象的でした。
特に、Toshiさんがパーカッションをたたく向こうに、ドアのガラス越しに陽炎のドラマーCherryさんが移るアングルは絶妙でした。


「止まっているのと変わらないのは全く別物。」
監督は、頭脳警察を撮ることで
自分の中の変わらない部分を確認したかったんじゃないんでしょうか?


立ち止まらずに動き続けている行為が伝説なんですね。
過去の遺産を現在進行形のバンドが演奏することに、大きな意味があると思います。
成長と確固たる自信ゆえ。今後10年20年、力強く叫び続けて欲しいです。


5時間もあるので無理にはおすすめできませんが、自分自身がしゃっきりしないなーと思う方はごらんアレ。


「ドキュメンタリー頭脳警察」