[]絲山秋子とピーズ

家ではよっぼどのことがないと飲まない主義だったのですが、
夏以降どかっと酒量が増えました。
お酒はおいしいくて、ふわっと気持ちよくなれる。
外で飲んで記憶無くして帰宅する。そして家で飲む。
お風呂に入って床につく。目が醒めたら何をしたかしゃべったか覚えていない。
自己嫌悪。体 にはアザがたくさんあるし、節々が痛い。
人間ドックによると、胃はボロボロ・脂肪肝は肥大し続けているらしい。
そんな生活をしていると、
無償にピーズの活動休止前のアルバム「リハビリ中断」が聴きたくなるわけですよ。

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=_3gbo-TSuoc]

「飲んでりゃ昨日も見えるだろ。明日が行き止まり」(「実験4号」)

ピーズを聴いていると、以前マイミクさんが
絲山秋子さんの「逃亡くそたわけ」のレビューしていたを思い出したわけです。
小説の中でピーズの「日が暮れても彼女と歩いていた」の一説が使われているとか。

早速、本屋にあった文庫本を購入。
「海の仙人」「スモールトーク」「袋小路の男」…。
どれもこれも、すばらしい。ぬるい。
そして昨日、禁断のハードカバーを購入。
「ばかもの」を読み終わりました。
主人公が、アルコールにおぼれていく過程が克明に描かれていた。
何が原因かは最後まで気づかないふり。
心にちくりとしみました。

よかれ悪かれ現状を他人のせいにしていない。
責任感だけが強くて一人でどうにかできると思っているが、
結果的に誰かに迷惑をかけている。
極端で安易な方法は選ばない。自虐的にならない。
大きく方向転換することもできないし、特にしたいとも思っていない。
何だろ、痛みは自分にしかわからんと自覚している。
やたら神経過敏になって痛みをアピールするわけでもない。

ともあれ、男性の描写がとても上手だと思いました。
酔っ払ってリバースしたときの情けなさ。
同性だとここまで客観的に書くことできないだろうなあ。
後ね、女性の愛情表現がなんとまあ不器用なこと。
大切な人には触れなくてもよいのです。わかる、わかる。

似たようなテイストの作家を探しています。
コクのある焼酎(芋・黒糖)のお湯割りのようにクセがありながらも
やさしく体に染み入っていく感覚。
お酒ともうまく付き合っていかんとですよ。

そして、実験4号はこう締めくくる。
「なんかまた作ろう場所は残ったぜ 君と最悪の人生を消したい」
ささやかな前向きさ。

今はアルコール控えめにしております。